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【MV解説・考察】FRI(END)S:BTS V(テヒョン / テテ)

BTS V(テヒョン / テテ)が2024年3月15日にデジタルシングルとしてリリースした新曲『FRI(END)S』。
多彩なV(テヒョン)の魅力をたっぷりと堪能できる相反する物語のパートによってユーモアたっぷりに描かれたMVの解説・考察をしていきます。

 

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MVストーリー概要

 

『FRI(END)S』というタイトルに含まれた、“友達”と“終わり”という言葉のように、一人暮らしのテヒョンとカップルとして暮らすテヒョンといった相反するパートが死(END)をきっかけに反転するように描かれていく。

 

FRIENDS MVより

冒頭のパートでは、黒い服を見に纏い一人朝を迎えるテヒョン。
一人身支度を整えバスに乗り込む。

そして次のパートで白い服を身に纏ったテヒョンの隣にはパートナーの姿が。
2つ目のパートでは恋人と朝ごはんを作るなど甘い生活が描かれている。

 

FRIENDS MVより

続いてどちらのパートでもバスに乗り、マーケットで買い物をし、ダイナーで食事をする彼の一日が描かれる。

孤独なテヒョンの周囲の人々はみんなそれぞれのパートナーと共に過ごし熱く愛し合っているのに対し、パートナーと甘い時を過ごすテヒョンのパートでは周囲の人々は激しく口論をしたり争っている。

 

FRIENDS MVより

 

孤独なテヒョンと、パートナーと共に過ごすテヒョン。
相反する一日を過ごした彼らはどちらも一日の終わりに車に轢かれて死を迎える。

 

FRIENDS MVより

3つ目のパートでまたしても別の朝を迎えたテヒョン。
彼は孤独な世界で着ていた黒い服、恋人と過ごした世界で着ていた白い服のどちらの色も身に纏っている。

隣にいる自分自身に声をかけられ、いたずらな(意味深な)笑顔を見せたところで物語は幕を閉じる。

 

FRIENDS MVより

 

MV 解説・考察

 

一見、バッドエンドのような演出にも思えますが、それぞれの世界の終わりに訪れる死は、新たな世界への転換としたブラックユーモアだと解釈しています。

花樣年華の物語では、バッドエンドを迎えるたびに何度も時を遡り同じ時を繰り返していきますが、花樣年華期のMVの中に登場する物語上の死は別の世界へ向かうきっかけとなっています。
この仕掛けは、クリストファー・ノーラン監督の名作である映画『インセプション』の中で夢の階層を移動する際の仕掛けと同じです。

夢の中の死はより浅い夢の層へと移動するきっかけであり、このMV中でも別の自分の世界への移動のきっかけとして描かれているのではないかと解釈しています。

そしてブラックなユーモアとしての人生の終わりは楽曲のタイトルに含まれる“END”という言葉をより強く印象付ける作用が働いているのではないでしょうか。

 

 

また孤独に暮らすテヒョンの世界で、周囲の人々は誰もが愛しあい、恋人と暮らすテヒョンの世界の人々は誰もがいがみ合い、争っている様子が描かれています。
いつも周囲の様子とマッチしないテヒョンはどちらの世界にも溶け込むことがありません。

自分が孤独なとき、自分以外の人はみんな愛に溢れ幸せそうに見えたり、自分が幸せなとき、心が狭く人を攻撃することしかできない人が目についたり、あるいは配慮が行き届かず後悔したり…そういった感情の揺れは誰もが経験したことのあるものだと思います。

 

黒い服を纏い目覚めたテヒョンは、幸せそうな人々をどこか嘲笑うように冷めた視線を向け、白い服を纏い目覚めたテヒョンは、恋人をまっすぐに愛するあまり、世界に溢れるいざこざに目もくれません。

 

 

最後に登場した2人のテヒョンはどちらの色の服も身につけていましたが、これは冷静さと純粋に人を愛する心のバランスが取れているという演出なのではないかと思います。

もう一人の自分自身に出会い、MVの物語は本当の“END”を迎えます。

もう一人の自分自身とはキム・テヒョンからみたVなのか、Vからみたキム・テヒョンなのか。はたまたAgust DのMVに2人のSUGAが登場するように、過去の自分と現在の自分なのかもしれません。

 

MV本編の解禁前に公開されたFlash videoには様々な永遠の愛の誓いのモチーフが登場しました。
その中で読んでいたニュースペーパーには“終わりを迎えることで永遠となる関係”というキーワードがありましたが、MV本編のラストで自分自身と出会い終わりを迎えた物語の登場人物テヒョンは、自分自身という永遠の愛を見つけたのではないかと解釈しています。
黒と白の相反する色をどちらも身に纏い微笑む彼は、聴けば聴くほどもっと耳を傾けたくなるような味わい深い声を持ち、様々な色を表現する多彩なV(テヒョン)の姿そのものだと感じています。

 

 

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