RMの1st ソロアルバム『Indigo』より『건망증 / Forg_tful (with 김사월) 』の歌詞の和訳や詩に込められた意味などを解説していきます。
건망증 / Forg_tful (with 김사월) 楽曲紹介
『건망증 / Forg_tful (with 김사월) 』は韓国のシンガーソングライター、キム・サウォル氏を迎えたフォークソングで、アコースティックギターや口笛の音色が温かく物悲しい感性を引き出している一曲です。
作業室の机やおもちゃを叩いた音やRMの着ているジーンズをこすったりと全て身近なものから出る音でアンプラグドな空気を演出しています。
건망증 / Forg_tful (with 김사월) 日本語歌詞・和訳
#Indigo
— しお (@888s_i_o888) 2022年12月9日
4. 건망증 /Forg_tful(with 김사월)
日本語歌詞・和訳 pic.twitter.com/KHOeBhqndO
※歌詞には意訳を含みます
楽曲解説・和訳
この楽曲は実際歌詞に出てくるようにRMが友人から「会うといつも何かしら忘れてるよね」と言われたことからスタートした曲だそうです。
“友人たちのことが大好きなのになぜ自分はこんなにも覚えていないのだろう”と思ったRMは“それでも僕たちは、一日一日数多くの情報を忘れながら生きているけれど、ずっと自らに麻酔をかけながらなんとか生きていっている”のだと話していました。
数多くの棘たちと
訪れてしまった朝と
それぞれの仕方で
自ら麻酔をかけてゆきます
歌詞の中の自らに麻酔をかけていくという表現は、先述の話の中の“忘れていく”という話がより広い意味で表現されています。
より広い意味(視点)について、この曲は3年前に録音したため当時の歌声と今の歌声が違っていて当時の歌声の感性はもう出せないものだという話をされていましたが、3年前といえばパンデミックが始まり世の中が混沌とし漠然とした大きな不安に世界が堕とされたような時期でした。
多くの人のスケジュールや目標は乱され、物理的に人と人の距離が離れたとき、私たちはどこかで鈍感になることで自分たちの心を守ってきた。この楽曲の詩に、あの頃の世の中の空気感を思い出しました。
2020年、ワールドツアーが白紙になったBTSは『BE』の制作過程をYouTube上にLogという形で紹介していましたが、そのプロジェクトのトップバッターとしてRMが一人で配信したコンテンツの中で『BE』アルバムの制作に向けて作業していたのが、まさにこの『건망증』でした。
RMの20代のアーカイブになったという『Indigo』。
3年を過ぎた今、あの時にしか感じなかった思いやあの時を経験した私たちだけが汲むことのできる感情がこの一曲の中に書き残されているのではないでしょうか。