BTS Jimin 1st ソロアルバム『FACE』より、一曲目に収録されている『Face-off』の韓国語歌詞、英語歌詞すべての和訳(日本語歌詞)と翻訳メモ、楽曲解説などをまとめました。
Face-off 日本語・和訳
#Jimin_FACE
— しお (@888s_i_o888) 2023年3月24日
1 Face-off
日本語・和訳 pic.twitter.com/wl2kkhjekA
※和訳は意訳を含みますので他サイト等への転載・転用は固くお断りしております。
・머저리=頭が空っぽで考えが足りないなどの意味の単語
・Break it down=楽曲の中ではガンガンいこうぜ、一般の会話の中ではやめちまえの意味も)
・Get it out=想いを吐き出す
楽曲解説・考察
トラップソウルジャンルの楽曲。冒頭の『ねこふんじゃった』のコミカルなメロディが印象的に幕を開け、『ねこふんじゃった』の音形をアレンジしたフレーズとイントロの繰り返されるメロディが溶け合い、この楽曲特有のダークな空気感へと変化していく音楽的センスは、BTS初期の香りを彷彿とさせるスタートとなっています。
過去のコンテンツで遊びながら『ねこふんじゃった』を弾いていたジミンくんの姿を思い出したファンも多くいたのではないかと思いますが、あどけなさのあるコミカルなメロディから一変し酒を浴びながら自分の内なる葛藤を吐露するという歌詞の世界観は、個人的にJimin版『Tony montana』(Agust D 1st mix tapeより)といった空気感を感じました。
タイトルの『Face-off』とは、元々ホッケーの用語で“試合開始”という意味を持つそうですが、そのほかに“対立する”“にらみ合う”という意味もあるそうで、この楽曲はアルバムのスタートを飾る試合開始の位置にありながら自分の内面と向き合う物語としてのダブルミーニングとしてぴったりのタイトルなのではないかと思いました。
歌詞の世界観では“自分の全てを捧げ、酔っていたマスカレードパーティー(仮面舞踏会)”という部分など、詩の端々にBTSのJiminであることに自分の人生の全てを捧げてきた一人のパクジミンという青年のこれまでのストーリーが思い起こされます。
“君のその甘い言葉で 僕のすべてひとつ残らずあげようと尽くしたんだよ”
“もっと多くのことを望むのはなぜ?”
この部分では、ARMYの期待に応えるためにより完璧な自分であろうとする葛藤を彷彿とさせますが、この部分はBTS ‘LOVE YOURSELF 承’のOutro曲『Her』で歌われた“仮面を被りあなた(ARMY)の望む自分であろうとする”という世界観を思い出しました。
愛される自分であるようにと自らの全てを捧げた物語の主人公が酒に溺れながら吐露していく感情は、全てを手に入れたのにどこか空虚な虚しさと脆く壊れてしまいそうな危うさを感じます。
Jimin版『Tony montana』と先述しましたが、誰にも真似できない想像を絶する努力の果てに高く高くのぼり詰めた主人公の空虚さや葛藤の物語から香るノワール感に、かわいらしく癒されるだけではない、Jiminの持つ魅力の芯の部分を強く感じる楽曲になっているのではないかと思いました。
『Agust D( 1st mix Tape)』や『HOPE WORLD』など、これまでラッパーラインのメンバーが自身の成功と葛藤の物語を紡いできたように、Jiminだけの物語の幕開けを強く感じさせるとても骨太な楽曲になっているのではないでしょうか。
※『Tony montana』収録アルバム↓
※『Her』歌詞・和訳 / 考察